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遠景・近景展(企画:河口聖)ギャラリー檜 展評 本多裕樹による

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  遠景・近景展(企画:河口聖)ギャラリー檜 展評 本多裕樹による 今日もぶらり旅、日比谷線に乗って電車の中で文庫本を読みながら銀座、京橋に向かう。仕事の疲れもあまりひどくないので元気です。本は司馬遼太郎さんの「関ヶ原 (下)」(新潮社)太宰治先生の「走れメロス 、他」(新潮社)を読みながら電車に揺られていく。朝早く出たので座って本を読む。上野でおりて銀座線に移り京橋に行く。 今日の目的はギャラリー檜で開催されている 遠景・近景展(企画:河口聖)の展示を観るためだ。 途中、腹ごしらえにCoCo壱でカレーを食べようと思いましたが、食べないでそのままギャラリー檜へ、食べると集中力が無くなるので今日は本気で美術と向き合う覚悟で画廊へ行った。 「荒井喜好」 スッキリしている。なぜかそう思った。見る人を一発でこの世界に入り込めることができるような、シンプルさ、心地よさにまた別の心地よさ、黒くある背景が墨のような勇気のある色の確信にそれを感じる。寒色にも暖色にもなる黒を大胆に使う。このシンプルで明快な図に鑑賞者をその絵画の世界の場に支配される一点、構図は様々な思考をしているだろう。小説家の村上春樹の本のようにシンプルで読みやすく書いているが、削ったり補強したり、小説の校正に手を抜かないで一つの小説を完成させるために、心地よい文章を文体の構図に大変気を使っている。 荒井喜好氏の絵も村上春樹の小説のような手の加えようと、シンプルだけどよく考えて構成しているのがわかる。それゆえに鑑賞者の目に直ぐに入ってわかりやすく魅力的に伝えるために制作しているのだと思いました。また。この絵に余裕があるのか遊び心もわすれていない。ユーモアがところどころにある。この遊びは古代の世界を感じます。祭儀のようであるし、祈りのような、そのような遺跡に描かれる神秘な図に感じる。黒は死をイメージさせる。そのイメージは死は祭儀でもって大いなる存在へ自らを捧げ血のダンスを踊り祈っている。オカルトのようでありますが、それが別のシンプルな構図とまた別の神秘について深い魅力を感じました。このシンプルな人物や形にスレートのような鋭さの力もある。荒井氏の絵に原始的な野生性と祈りを感じました。 「小林哲郎」 この絵を見た時、石のようであり、鉱物、宝石の鉱脈を感じた。水晶や紫水晶などのクリスタル