地平展 埼玉近代美術館 作:井上活魂 出品作紹介

 地平展 埼玉近代美術館 作:井上活魂 出品作紹介


この前、埼玉近代美術館に行ってきました。小旅行であり気晴らしも兼ねて電車にゆられトレインライフを楽しんでいました。今日は少し晴れで雲もいくらか漂って流れている。そうして北浦和駅を出て徒歩10分くらいに埼玉近代美術館があります。まずは腹ごしらえということでレストランでパスタを食べました。デザートを食べ終え、地下一階の一般展示室に向かった。


いろんな人がその美術館の場所を借りて展示をしていた。写真もあった。埼玉近代美術館は部屋を借りることが可能なのであった。





そうして「地平展」の会場に足を踏み入れた。

そこで一番巨大な作品、井上活魂さんのオブジェというかインスタレーション作品があった。 

この作品は神像を表しているそうです。あらゆる顔を描いている。呪術的な、または呪いのようなそんな祈りを造形していてコロナに対する反応をもとに作っているという。






これらの顔は古代の原始的な神々の象徴であり、祈りが込められている。


このぶら下がっているのは使用済みのマスクであり、コロナに対する神経過敏をもってこれを捧げている。呪いなのか祈りなのか魔術的芸術を表している。闇と光の中でもこれは善悪を超えた美を表現している。


赤色が多いのは血を表している。さまざまな場面で繊細な精神ゆえに感じるのだろう、この神像は十字架にかかっているようだ。




いかれているというか、どこか気が触れないとこれは作れないだろう。どこかで頭のネジを外して創造の泉を開かねばならない現実もある。これは並の精神で作れない狂気のインスタレーションでありオブジェである。この作品に生命をかけているのであろう。コロナに対するストレスと危機感がこの怪物を想像してしまったのであろう。






絵よりも衝撃的であるかもしれない。


ただ、衝撃がある。そのエネルギーに活発な燃えるような儀式、祭りを感じる。


その祭りはコロナを燃えたたせ神としてあがめ、禍をむしろ念仏によって鎮まらせようとしている祭司の姿が浮かぶ。


それでこの神像は何をわれわれに訴えているのであろうか。裁きをもたらし、人類の身勝手を戒め、怒りを下しているのであろう。


井上活魂さんはまるで預言者のようにこのインスタレーションの話をする。それは純粋な心でこの時代をとらえて警告と提示をしているのであった。


そこに魔術的な神魂はあったり、しかもライトである。風態は一眼見て預言者だと思った。






制作の仕方を聞きましたが、普通の生活の中でさまざまな発見や時代を読み解き世に問うことを敏感に感じているようであった。


たいへん真面目で真摯で作品の向き合い方がとても熱意に溢れるものを感じました。あと、普段の生活が作品のヒントになっているようです。そこに井上活魂さんという知性の思考を無意識にまで上げて何かしらの啓示を受けて、あらゆる道具を集めて創造していくさまが見て取れました。









ここまで読んでくださりありがとうございます。

2021年10月23日

本多裕樹記す 

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