セザンヌ作 サント・ヴィクトワール山の感想
サント・ヴィクトワール山 1887年
ポール・セザンヌ(画家48歳)67×92cm
コート―ルド・ギャラリー(ロンドン)
セザンヌという昔の画家の描いた絵がある。むかしといっても本の100年くらい前の人だがセザンヌの絵は当時としては衝撃的だった。生前にはそれほど神話になるほどのすごい画家であるという認識はなかったが、時代がながれるなかで衝撃になって行った。ピカソに影響をあたえたのもセザンヌの絵である。この絵は山であるが、構成された作った画面であるのです。それまで現場で見て描くっていうのが主流というかアトリエでスケッチを見ながら記憶で構成して絵にするわけでありますが、セザンヌ先生の場合はほとんど画面を作ってしまうのです。見たままは描かないのです。絵は作って分解したり分析したりそうして画面の中で配置していくのです。そういうやりかたがピカソは絵のヒントにしたと言う事です。
絵は見たままを描くのでなく作っていくということを現代になって継承され、今の現代アートにつながっていきます。
しかし、今、現在、セザンヌは本当に昔の人になりそうな現象があります。画家セザンヌのほかに化粧品メーカーでセザンヌというのがあって、世の中の人は化粧品の方に関心がくぎつけかもしれない。
絵好きにはわかるセザンヌだけど、もう終わった絵と見る人もいるかもしれない。
そういう人もいるでしょう。とくに作家にとっては先に先に進まねばと迫られているのでそれはあるかもしれない。セザンヌを知らずにアート活動をするかもしれない。
では、このセザンヌの絵は、実は今の日本の画家には描けないくらい個性的であり、絵の具の使い方もわりと簡単であるがやろうとしない。みずみずしい色彩表現も再現できないでいる。これは特殊な巨匠の技術であるのではないか。
自然描写なんかもよく見ているし、形を単純化してそれっぽく見える程度まですることもある。
センスと知性が合わさった名画であると私は思います。あと、モチーフをよく見ている。そしてなにか教養らしき品の良さもある。この絵には魔法がかかっている。
なにか、魅力、感動がある。
日本のアーティストで岡本太郎という人がはじめてパリに言った時セザンヌの絵を見て感涙したそうだ。やはり、セザンヌの絵は名画ではないか。
セザンヌの意向は、ルーブル美術館に飾られるような不朽の名画を描く事だった。その秘儀を研究してその結果、幾何学と数学的な法則を絵にやってみようというものだった。あと、構成という方法で四角形のキャンバスにいかに盛り込み組み立てるかに力を注いだのだった。
それがゆえにピカソはキュービスムの発明のヒントになった。
ものを立体的に描く方法をね。
あと、色のバランスにまで思考を巡らせて感動と印象派の明るい色彩をおさえて調和をめざしまさに画面全体の色彩のおいても数学的感覚が表現されている。いわばバランスかもしれない。
あと、雰囲気を大事にしている。空気感というかそういうのを大事していることがこの絵で見れます。
ゴッホ、ゴーギャンとは違った色彩感覚のバランス感であるといえます。
そういう意味で、セザンヌは完璧を求めていなくても完成を求め続けている感じである。やっていくうちに画面に数学と幾何学をつかうことによって完成された絵を発明していたのかもしれません。
みずみずしい色彩はこころのおくに染みわたってきて心地いい気分にしてくれます。そういうのって大事ですよね。
部屋に飾ってゆったりできる感じです。
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