詩・本多裕樹 「夢の花、その名は」
「夢の花、その名は」
詩・本多裕樹
夜の中、静かな泉に私はいる
坂を登りただ歩く星を追いながら
星々は輝き、ただ歩く
そこに花があった。
この夜の中、美しく咲く花は黙って私を見ている
お茶に誘おうと試みて
花の美しさを述べる
香り高き典雅な空気に
私はそれに酔う、ただ花を見る
そうか、そうか
花は笑みを浮かべ、囁くように瞳を向ける
花の名前を聞こうとしたが、
それは危ないという
花は、香りによって誘惑しようとしていることに気づく
その誘いに乗り、
本来なら私が誘おうとしたのだが、逆に奪われる
夢か
夢か
夜は静かに、道を歩く
坂を登り、花も行く
坂の上には何があるか、興味と好奇心が私の心を占める
花は私の脳に幻影として定着して
呪われてしまったこのうつつ
星は見ている
星は見られている
光はこうして証明される
存在は許され夢の中であってもそこはうつつにある
月を追い、星を追い
天空の星座の神々に愛されていた。
君はどこに私を連れて行こうとするのか
寄生した花はただ歩かせる
存在は存在を知り
知り得ぬことは存在しない
いたって量子的であり、日々はこうしてあることになる
夢。
夢。
うつつ。
うつつ。
幻影は見えるのか花は花を知る
坂を登った先には花が広がっていた
月の光と
星々の光に照らされて
花畑の坂の上は輝いていた
広がる光の世界、クルアーンの最終地点
花、
寄生したる花に尋ねる
汝の名は、
「リリス」
花の光はいいものだね。
そこで、まどろみ眠る。少し短い死によって
安らかな眠り他人がそこにあったこと
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