ギャラリーK 美の起源展 宮崎聡子さんの絵を見て

ギャラリーK  美の起源展
宮崎聡子さんの絵を見て


絵がそのまま宴会になったり、つい楽しい気分になる。そういうお祭りみたいな絵画はあるのだ。それを描くのが宮崎聡子さんの絵画作品であります。

まずはこの二点の絵画に美の起源があるという。宮崎さんの絵の、芸術の原点、それは動物であり、犬であるそうだ。

宮崎聡子さんは動物愛に深く、猫、犬、そういう愛らしい生き物を愛しているのだ。生命に対する愛がある。

そして、元気一杯でネガティヴなことをあまり言わない、いつも明るく祭りのような感じで、絵の色彩は明るく目にチカチカするくらいに激しい。

この二点の作品



「A  spoiled retriever lives here 2020 002」
 「A   spoiled retriever lives here 2020 001」

この二点は犬の絵である。犬は宮崎さんにとって前述したように動物に対する愛であり、生まれてから動物に愛情を注いできた美の起源にあるということです。

実際、動物を守る活動を応援したりしている人でもあります。

この二点の左の絵はゴーギャンのクロアゾネズムのそのものであり、ステンドグラスのように色分けして色面を持って描かれたものです。
右の絵の方はゴッホが印象派に影響受けてゴーギャンと一緒に制作し始めた頃の色彩のタッチと酷似しています。

つまり、宮崎聡子さんはゴーギャンとゴッホが好きであるのか?という意味合いもあるのでしょう。

この作品を通して、ゴーギャン、ゴッホが何らかの宮崎さんの動物に対する愛を表す画家自身の存在証明も兼ねているという暗号を読み取ることもできます。

他にもトイレットペーパーの連作もあり、これは人間の生理的な現象であり、無くてはならぬものです。ここにも美の起源があり、生理的な起源もあるのです。

宮崎さんの絵は明るい気持ちにしてくれて、景気が良くなるそんな気分にさせてくれる。本当に景気のいい方だと思うし、絵画自体が明るい、マチスにおけるフォーヴィスムのような野獣的な破壊的なまでの色彩の強さがある。

最近、画廊で、ギャラリーKに出品した作品も強い色彩で攻めていた。強い色彩、チカチカする強烈な色、なぜそこまで色を引き立てることができるかですが、いろいろ工夫を凝らしていて地塗りしたり、何層も色を重ねて最も色が激しく輝くように装置ができているのです。よく見ると技術的に高いものを持っているのです。それをじっくり見るのもまた面白いところです。

宮崎さんの今回の作品で、フォント、文字、これにも関心が美の起源にあるようです。犬のフォルムに文字が、アート的な文字がいっぱいに描かれ、書かれている。これも衝撃的で、明るい。

明るいってすごい威力だなと思う。

ここまでやるかっていうくらい強い色彩、その色の輝きを引き立てるためのメチエもある。

僕はこれらの絵を見て、目に焼き付いてしまった。なかなか色が抜けない。太陽を直接に肉眼で見たような光の強さ、または色の強さを脳に焼き付ける。

動物愛護者であるとともに色彩の魔術師でもあろう。

宮崎聡子さんには理想があってその根幹には世界を平和にしたいという夢がある。そのような理想も、明るく、元気で、祭りのような、そのような強烈な明るさが芸術に表され、絵画に出ているのである。

基本、軸が明るい棒状の光の柱のような、その光が絵筆を持って絵を描かせると質の高い、動物や色を描いていくものだと思いました。


このギャラリーKで開催された「美の起源」展はコロナの影響で沈む私たちを元気にしてくれました。悲劇を感じたり、ストレスを覚えたりと大変な社会情勢でありますが、アートは僕を元気にしてくれたし、何か熱いものを感じました。

とても、感動しました。

皆様におかれましても、アートを体験されることをオススメしたいところです。人の生きた記憶、人の行動の一つ一つは誰かに影響を与えるものです。


このような時期ですが元気にやっていきましょう。

コメント

  1. 右の犬の絵は色彩鮮やかでいいですね。ローマ字も絵の中に使い日本人アーティストが作ったとは思えない芸術品になっています。あなたのいろいろな有名芸術家から影響をうけたという推理の解説もよかったです。

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