猫とカラスの縄張り合戦 作・山崎智嗣 個人蔵





 猫とカラスの縄張り合戦 作・山崎智嗣 個人蔵


この絵を見とき細部まで描かれてすごいと思った。名品だと思う。尋常でない細部の描写、山崎智嗣さんはかつて漫画家でありましたが、アートに移行してギャラリーや画廊に出品するようになったようです。


漫画のやり方で絵画を描いている。漫画を描くというのは下絵を描き、それにペン入れして色をつけていく。その作業は尋常でないほどやばいものであります。


毎回毎回、このような細密画を描き、越谷ギャラリーKを盛り上げてくれています。


この絵は猫とカラスが戦い居場所を守り奪う合戦であり、猫はカラスの卵を奪おうともしている。カラスはそれを守らんと抵抗し、逆に猫を返り討ちにしようとしているのです。





猫は交戦的であり、この猫やカラスは漫画の形になっている。ウオルトデイズニーや手塚治虫を尊敬していてこのような動物の漫画の形式にすることができたという。


この絵は、ミケランジェロのシステイーナ礼拝堂の最後の審判を思い示すものがあり、壮大なスケールの絵だと私は思います。

相当な力をもって描かれていて見応えもある。力ある絵画とはこういうものを言うのだと感じた。

普段は仕事をして帰宅すると毎日、机に向かって漫画を描き絵を描いているという。毎日、机に向かって制作してしかも長期間かけて一点の作品を描いていくのだそうです。その制作の時はすごい集中力であることを覚えます。


猫がそれぞれが違う動きをしていて、それぞれ個性を持っている。人格、猫人格をもってカラスもそれぞれ違う。








かつて昔、群衆画を描くことは難しいと私は言われたことがありますが、この絵ではその難所をいとわず作品として実現している。


やはり、漫画家出身というのはデッサンも俊逸であるし、アートの世界に来るとものすごい力を発揮するのだなと思いました。


猫もそれぞれ役を演じている。

カラスもそうだ。





鉄塔の上にはカラスの卵と雛がいる。

それを猫が奪って食べようとしている。

カラスも抵抗し、逆に返り討ちにしようとしている。

猫は苦戦に苦戦し、それでも諦めない。

そんな戦いの場面であります。





あと、絵そのものも大事ですが、これにペン入れしてインクで塗るのは相当な技術がいると言っていました。


この絵はキャンバスに描いているようです。色落ちしないように特殊な加工をしてさらにプレスにかけているそうです。完成したら掛け軸にするために滑らかにしていく作業もあるようです。


細密な表現は私にかなりの衝撃を与えてくれました。


私もできるかもと思い、この猫とカラスの戦いを参考に自分の細密画に生かしてみたいと思います。


かなり漫画の表現は凄まじいものを覚えます。

漫画家の出身者がアートに来るとかなりすごい作品を描くのだなと思いました。


とてもこの猫の表情がかっこいいですね。


これもすごい。


低きところから上を見上げてもまた面白いです。



ここまで読んでくださり感謝します。

ありがとうございます。



2021/10/30

本多裕樹記す





コメント

このブログの人気の投稿

𣘺本悠 個展 NGG中野銀座ギャラリーを観て、筆者・本多裕樹のアートの旅。 2024年3月24日日曜日~3月30日土曜日

新藤義久の写真の世界 批評 本多裕樹による

喫茶店 June 本多裕樹展 2024