抽象画「カノン」シリーズ 作画・本多裕樹

 抽象画「カノン」シリーズ 作画・本多裕樹





 

いろいろ抽象画について悩みながら描いてみました。この作品はけっこう時間がかかりました。


色の配置とかむずかしかったです。普通の古典的な絵であれば固有色を、見たまんまの色をのせればそれで解決できるのですが、こうしたまったく想像の絵を描くのは頭を使う気がします。


色がもう自分で決めていいので、しかも自由であるがゆえに何もしばりも無いので自分ルールを作って色や形を設定していきます。


自由には責任がともなうと言いますが、この抽象画はそのもっともたるものだと思います。


おそらく、この絵に美術的な価値があるかわかりません。もしかしたら無いかもしれません。


価値は他人が決めるのか?


価値は鑑賞者が決めていくのか。それはそうかもしれない。鑑賞者が楽しめる類の絵は色だと昔、友人に言われたことがある。もっと鮮やかな色を使って絵を描いて欲しいと依頼があったこともあった。


色は衝撃だということも言っていた。


抽象画はいたって簡単かもしれません。





線と色を使えればできてしまうので、楽とも言えます。抽象画になれていなくて古典的な絵を描いている人にとってはこんなの絵じゃないと言う人もいるでしょう。


それはそうかもしれない。


そんな技術が無くてもできてしまいます。楽ゆえに抽象から絵画の世界に行く人もいると思います。


私も、モチーフを見て描くより楽に思いますので、そうだと思います。しかも、現代の絵画の主流が抽象画であるがゆえにいきなり抽象画に行くこともありだと思います。


しかし、抽象画にはデッサンが必要に思います。それは石膏デッサンの類でなく、具象画の風景とか静物画とか人物画とかのデッサンでなく、いや、そう言う古典的な絵画修練方法も基盤ではあるかもしれませんが、抽象画には抽象画のデッサンもあるのです。


まったく今までの絵とは次元が違ってきてしまうのが現状でしかも、自分なりの抽象画のデッサンを描けるようにならなくてはなりません。

真面目に、絵を描いている人にはかなり難解なシフトが必要なのです。


だから、私も苦労しました。今まで信じていたものを否定しなくてはならないので一度、別次元の絵というものを発明するために過去の絵を放棄していかなくてはならないからです。


そういう苦労はあります。


この抽象画にはまだタイトルをつけていません。





まだ、私にとっても未知数の絵画であり、なんなのか自分でもわからないのが現状です。


何かむずかしい意味をつければそれで完成ですが、この絵にあまり思想的な問題を入れていないかもしれません。


しかし、私は絵に関して音楽を主に題材にしています。例えばこの絵は美の均衡を表したものでありますので「カノン」シリーズとしておきたいと思います。


一時期、絵に限界を感じていてもう、やめようかと考えていましたが、それで今までの過去の絵の流れをやめて抽象画の世界に移行することをもってこの絵を開発をしました。


ちょっとした自分の絵画の中でイノベーションを起こして、絵画を続けようと考えての新しい絵でありました。


今後の自分の絵画制作が楽しくなっていきたいと思います。


画道に遊んでみたいと思います。


ここまで読んでくださり感謝します。

ありがとうございます。






2021年11月14日

本多裕樹記す


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