やない ふみえ個展 「魔法使いたちのいるところ」アートモールにて
やない ふみえ個展 「魔法使いたちのいるところ」アートモールにて
10月の初旬に銀座 日本橋で開かれたArt MAllのやないふみえ女史による個展「魔法使いたちのいるところ」が開催されていました。
一見、不思議な世界の中で現実の騒乱をわすれさせてくれるファンタジーの世界であり、絵筆の感触がまた魔法を塗り込めた幻想を私たちに与えてくれる。
水彩の感触が画廊の空間を雰囲気によってひろげただよわせ、動物のキャラクターが錬金術を作業させているのが、夢を源にさまざまな世界を鑑賞者の私たちに錯覚させるのだ。
これは、やないふみえ女史の夢を童画でもって水彩の輝きが響き一種の異空間を作って私たち鑑賞者に提供してくれている。
幻想表現、それは象徴主義の系統であり、フランスのギュスターヴ・モロー、オデロン・ルドンからオーストリアのグスタフ・クリムトに始まるユーゲントシュテール、また分離派によってネオ・ルネサンスを再現した。現実の世界からあらゆる事象を組み合わせて作家の個人的な世界を構築する。それは魔法であったり神秘主義の知識などが組み合わされて一つの世界を創造する。
やないふみえ女史もそういう方向で制作を続け、幻想の啓示を受け象徴の森の中で現代童画を創作しているのだ。今回は魔法という形で新しい象徴派をクリエイトしたのだった。
あらゆる文様が意味深であり、これは魔法陣なのであろうか。そういうイメージが私たち鑑賞者は見る、じっくり見ると現実の苦労を癒してくれるのがありがたい。私は退勤してすぐにアートモールのやないふみえ個展に行ったためか、非常に救われた感じがした。ああ、きてよかった。そう、思ったのでありました。
動物が骨になって魔法の錬成を行なっている図もある。
さまざまな魔法錬成が行われている。
そして、色彩と文様によって鑑賞者を夢の世界へ誘ってくれる。これはありがたいことだと思った。
やないふみえ女史はキャリアも長く個展をうまず弛まず開催している。制作意欲もあって一点一点は小品でありますが、その小品一点に50号の内容を4号~6号の画面に埋め込み、高い完成度が組み込まれている。それらの絵画作品は傑作の数々であります。
やないふみえ女史の絵は細部にわたって精緻で粗がまったくないのが素晴らしいと思った。近くで見ても遠くで見ても高い鑑賞の楽しみがある。近くでもても細部にこだわって妥協するところが無かった。非常に完成度が高いのがすごく驚き、ここまでできているのが驚嘆の一言でありました。
私たちはいつまで夢の世界に居たいものです。夢から覚めることもあると思いますが、また、作品を思い出し、幻想の世界を旅するのもいいかと考えます。
夢、魔法、それはかけられる個展、
私たちは時々は夢の世界で生きていたいものだと思います。
象徴の森はアートモールのやないふみえ個展、「魔法使いたちのいるところ」にあったということでありました。
2022年10月15日
本多裕樹しるす
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